太陽光発電所の雑草トラブルが急増
太陽光パネルに影を落とす、太陽光発電所周辺のフェンスを覆って破損させてしまうなど、自然が豊かな郊外に建設された太陽光発電所では、雑草などの植物によるトラブルが発生することがあり、太陽光発電所の増加とともに雑草によるトラブルも増加しているといいます。
太陽光発電所にとって厄介な雑草というと、背が高くなると太陽光パネルに影を落とすことがあり、地下茎があるため刈っても枯れないカヤや、フェンスや太陽光パネルの架台などに絡みついて生育するツル性植物などが厄介でしょう。 秋や冬には枯れる1年草の場合、春から夏にかけて除草を行えばよいですが、多年草の場合、年に数回除草が必要になります。その結果、除草費用が大きくなり、売電収入よりも大きなってしまったというケースが聞かれます。
除草に費用がかかるからといって行わないでいると、フェンスにツル系植物が絡みついて風通しが悪くなり、強風でフェンスが倒壊したといった発電所自体に被害がでる場合もあり、余分な修理費がかかる上に、さらには周辺に迷惑をかけてしまう場合もあります。 例えば太陽光発電所で雑草の除草を行わなかったためにアブラムシが大量発生してしまい、周辺の農家から苦情が寄せられたというケースもあるのです。そのため、やはり除草は定期的に行わなければならないといってよいでしょう。
しかし雑草はすべて除草すればそれでよいというわけではないケースもあります。カヤやツル性植物以外に、竹も太陽光発電所にとって厄介な植物といわれています。発電所の近くに竹林がある場合など、地下茎によって太陽光発電所内に竹が生えてくる場合があるためです。竹は大きくなりますからそうなれば太陽光パネルに影を落とし発電量の低下を招いてしまいます。 そのため竹林の伐採が一番良い手段のように思われますが、竹林を伐採するには、その竹林が個人の所有であった場合所有者との交渉が必要ですし、環境の問題もあります。竹林は地下茎を張る植物のため、地盤を固める、風から建物を守るといった目的で作られている場合があります。それを伐採してしまった場合、地域環境を変えてしまう場合があるのです。
実際、除草によってさらなるトラブルも発生しています。除草剤によって周辺の雑草等をすべて除草した結果、土砂が流出しまったといったケースもあるのです。太陽光発電所の除草は周辺環境を考慮する必要があるといえるでしょう。 太陽光発電所の周辺環境はそれぞれ異なり、また雑草の生育についても地域によって異なるため個々の対応が必要になります。
トラブル事例一覧